




母(私の姉)四十三才
娘(私の姪)十四才
出光真子さんの初めてのビデオ・インスタレーション作品、「祖母・母・娘」は、1976年に制作されました。3代に渡る出光さんの親族(母、姉、姪)に煙草の空き箱で思い思いに遊んでもらうのですが、それをビデオで記録します。その映像を他の人にモニターで見せ、その人の箱の遊び方が変わるかどうかを、再度撮影します。結果は、3人が3台のモニターで同時に再現されるというものです。
この作品では、ビデオ特有の機能への認識が見て取れます。ビデオというメディアの特性(長時間記録し、同時に見ることができる)を了解し、それを表現目的に利用しようと自覚していたのです。このことは、この時代に書かれた「ビデオの記録性と同時性を女の無意識をさぐる」ことに使うという言い方によっても明らかでしょう。ユング的な思考ですが、言葉では説明されない意識や無意識が、行為の中で観察できるからです。心の中が行動を通して読み取れると言い換えても良いでしょう。
出光真子の仕事を振り返るより抜粋 森下明彦(出光真子作品展プロジェクト実行委員会世話役)
